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新しく面白い事業を始めたい! 国産無農薬バナナの栽培に挑戦/株式会社ワイエス・コーポレーション代表取締役中尾正邦さん

岐阜でも育てられる耐寒性のあるバナナとの出会い

山県市藤倉にある4棟の温室一面に広がるバナナの葉。もともと岐阜市内で建物の解体工事や不動産業、福祉施設などを手がけていた中尾正邦さんの温室の光景です。新しい事業を始めようと考える中で、「年齢を重ねることで健康志向になって、『食』に関することがやりたい」と思った中尾さん。せっかくだから他ではやっていない珍しいものをと探していました。

そんな中、アンテナにひっかかったのは岡山の農業法人で編み出された耐寒性を持ったバナナの苗でした。特許を取得している凍結解凍覚醒法は、バナナの種子を一度凍らせたのち、ゆっくり解凍することで耐寒性を持たせるバナナの苗の栽培方法。この苗との出会いから、ほとんど流通がない国産無農薬栽培の贈答用バナナの栽培が2021年3月から始まりました。

こだわりの無農薬バナナは皮まで食べられる

海外産のバナナは完熟度70%の状態で切り取り、皮の表面に防腐剤を塗って追熟させながら船で運ばれます。しかし中尾さんのバナナは完熟度85%まで待ってから切り取るため、もっちりして香りが濃く、糖度の高いバナナが出来上がります。さらに皮が薄くなるので、「皮自体は味がないですが、食物繊維をはじめ体にいい成分が多く含まれており、バナナジュースを作る時に一緒に入れるといいですよ」と中尾さん。

葉や茎などのロスも新しい方法で解消

バナナの親株は1度収穫するとすべてを切り落とし、翌年は子株を育てるという栽培方法のため、大量の葉や茎が余ってしまいます。通常これらは廃棄するか動物園に寄付されたりするのですが、中尾さんは他の用途はないかと考え、大阪の化粧品製造会社に研究を進めてもらっています。実現すれば国産バナナを使用した化粧品第一号になるかもしれません。周りとの差別化から生まれた山県産の無農薬バナナ事業。これからの事業の発展が楽しみです。

※2024年8月YAMAGATA BASE HPからの移管分