見出し画像

山県市地域おこし協力隊/河合 祐樹さん

川だけでなく、自然を想う沢山の人に出会いたい

山県市美山地区の北部にある古民家テレワークセンター「神崎よってちょ」は、古民家を改装したコワーキング&レンタルスペースです。ここを管理している山県市委託型地域おこし協力隊の河合祐樹さんは、瑞穂市と山県市との2拠点生活をしており、移住者&関係人口増加を目指す任意団体美山ベースキャンプの代表や、川遊びの文化を次世代につなげるためのカンムギプロジェクト実行委員会など様々な活動をしています。

「神崎よってちょ」は数年かけて古民家をDIYしながら仲間たちとつくりあげてきました。多くの人の力を借りてここまでの形となり、これからも自分達で楽しみながら作っていくような、ある意味ではずっと完成の形がないような場所。観光地でもなく特別な施設があるようなところではありませんが、あるがままの田舎の暮らしに価値を感じられる人に来てもらいたいといいます。

仕事をするために来ても良い、ただ川を眺めるだけの時間の過ごし方があって良い。こんな時代だからこそ、ほっとすることができるサードプレイスとして「神崎よってちょ」を利用してほしい。人が集まって話をすることで、色々なアイデアが出てくる。人と人が出会い、そこから何かがうまれるような場所にしたいと河合さんは考えています。

ユーコン川との出会い

河合さんは愛知県岡崎市出身。就職後は激務の連続、心身共に限界にきていたとき、野田知佑さんの『ユーコン漂流』という本に出合いました。その本に誘発され28歳のとき、カナダ西部からアラスカにかけて流れる大河ユーコン川を目指しました。

「それは素晴らしい川旅でした!毎日生き抜くことに必死だったし、一人の世界、すべてが自己責任でした。8日間たった一人だし他にいるのは熊などの野生動物だけです。その旅を通して強烈な自己肯定感と“足るを知る”という精神が自分の中に生まれたんです」と河合さんは話します。この原体験が河合さんの本質的な生き方を模索していく人生のスタートとなりました。

「山県ベース」で知った山県市

結婚を機に岐阜県に住むことになり、子育てのために長期の川旅はできなくなりました。その代わりに子どもを担いでの山登りが始まり、以来山の世界にも傾倒していきます。この時からブログを書くようになり「人と違ってても自分が面白いと思うことを追求する」「変な奴だなっていわれても自分のスタイルを貫いていく」というスタンスがうけ、登山雑誌のライターの仕事もするようになります。

そんな時期に河合さんは山県市役所が運営しているWEBサイト「山県ベース」を知ります。そこから山県市に興味を持ち、出会いと縁がつながりました。

これからのことを河合さんにたずねると、川も人も美しいこの地をもっといろんな人に知ってもらい、そこで自分らしい過ごし方を楽しんでもらいたいと考えていると教えてくれました。

この地には、農家レストランの「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」、民泊整備中の古民家「水音」、ベトナムコーヒーのカフェ「Phin and Bean」、古民家テレワークセンター「神崎よってちょ」があり、そして最近多くの人が訪れる機会が増えている「円原の伏流水」、そしてエメラルドブルーの「神崎川」があります。

この魅力的な地域で多くの人に楽しんで滞在してもらえるよう、まずは古民家民泊の整備と、川を中心にしたエコツアー、フリープログラムで子どもたちの感性を解放してあげる「川の学校」などをやりたいと考えています。都会で暮らす大人の人には「本質的な過ごし方ができるサードプレイス」を、子どもたちには「川の楽しさを知ってもらいながら自己肯定感を育ませる」活動をしていきたいと、清流神崎川を眺めながら話してくれました。

※2024年8月YAMAGATA BASE HPからの移管分