見出し画像

十六ささげのおひたし

道の駅で買った手作りのお弁当

山県市船越の国道沿いにあるふれあいバザールは、地元のおばあちゃん達で営む農産物直売所。隣には、手打ち蕎麦と地元の食材を使った料理が食べられる食事処が隣接していて、ここの蕎麦と料理が美味しいと、遠くから訪れる人も多いお店です。

売店には、地元の農家さんが育てた旬の野菜と、山県市の特産品や加工品を買うことができます。手作りのお弁当やお惣菜もあり、直売所を訪れた夏の時期は、トマトやキュウリ、ミョウガやニガウリなどの夏野菜が並んでいました。

丁度、昼食がまだだったのでお弁当を買って食べることに。その日のお弁当の中身は、地元で採れた野菜中心のおかずと桑の木豆の五目おこわ。しみ出るお出汁が美味しいがんもの煮物に、醤油で炊いた茄子や胡瓜の浅漬け。

山県の旬とおばあちゃんの味がいっぱい詰まったお弁当です。その中に、十六ささげのお浸しが入っていました。噛むと、中にしみ込んだ醤油がじゅわっと出てきて美味しい。甘さは控えめで、醤油の塩分が程よくきいていています。シンプルな味付けで、ささげの香りと甘さをしっかりと感じます。たまにキュキュっとなる歯ごたえに、ささげらしさを感じて何だかほっこりしました。

暑い季節の緑のビタミン源

十六ささげは夏の暑い時期にとれる野菜で、大正時代から岐阜県の一部で栽培されてきた伝統野菜。山県の各地域でも昔から食べられていた野菜のひとつです。
とても長い豆で、30~50cmくらいの長さに育ちます。中に豆が16粒入っている事から十六ささげと言われ、ビタミン類やミネラルが豊富な為、暑い夏の栄養源とされてきました。

昔から慣れ親しんだ素朴な味付けと豆の香り

十六ささげは香りも良くクセがないので、和え物や煮物、炒め物や天ぷらなど色んな料理で食べられています。やわらかいので、茹でるときは火を通しすぎないようにさっと茹でるのがポイントです。1~2分ほど茹でて、さっと取り出して冷水に浸します。長いので4~5cm幅くらいに切ってから食べます。 醤油との相性が良いので、おひたしや胡麻和えでいただくのが昔からのポピュラーな食べ方。素朴な豆の香りと甘さが、とても味わい深い一品です。

※2024年8月YAMAGATA BASE HPからの移管分