『栗の王様』利平栗は幻の栗
利平栗って
岐阜県山県市大桑が発祥の地である利平栗は、ふっくらと丸い形をしていて果頂部に産毛が沢山見られるのが特徴です。そして何よりも色が濃く深入りコーヒー豆のような色をしています。利平栗の外側を包んでいる鬼皮はとても固くむきにくいのですが、内側で実を包んでいる渋皮は比較的むきやすく、濃厚な甘みを持ち食感がいい利平栗は、山県市がオススメする特産品のひとつです。
生まれた時から自宅には栗の木があり今も大切に栗を育てている山県市大桑の武山茂活さんのお話ですと、利平栗は武山さんと同じ大桑に住んでいた土田健吉さんが、大粒で美味しい栗を求めて研究を続け、中国産の栗と日本産の栗を掛け合わせてできた栗の品種。利平栗は実が大きく甘みもしっかりとした栗で、虫がつきにくい丈夫な品種です。利平栗は他の品種に比べると1本の木に、少ししか実がなりません。限られた環境でしか育たない為、管理、栽培が難しく、元から少ない利平栗の生産性は近年さらに激減しており、国産栗の全体の6%しかない幻の栗だそうです。
山県市ふるさと栗まつり
大粒で甘い利平栗を買うことのできる『山県市ふるさと栗まつり』が、毎年10月の第1日曜日に、山県市大桑にある四国山香りの森公園で開催されています。今では、秋の恒例行事になっている栗まつりの会場にはたくさんのバザーが並び、栗おこわや焼き栗など、様々な食べ物は販売されています。地元で収穫された「利平栗」は早いときは午前中に完売してしまうほどの人気なのだそうです。栗のつかみ取りなどの催しを楽しみ、毎年大勢の人で賑わいます。
山県市は岐阜市の北側にある美しい水と緑に囲まれた場所にあり、利平栗以外にも元気玉(にんにく)や桑の木豆、伊自良大実柿といった特産品があります。その中でも、希少な利平栗が手に入ったら蒸すだけでも美味しいのですが、栄養のある渋皮まで食べれる渋皮煮にしてみてはいかがでしょう!身近な食材で手軽につくることができます。毎年この時期に我が家では渋皮煮をつくって秋の味覚を楽しんでいます。
利平栗で美味しい渋皮煮を味わいましょう
材料
利平栗(鬼皮のついたまま) 1㎏
重曹 大さじ4₍(約40g)
砂糖 800g
作り方
下準備 栗が浸る位のお湯を沸かしておきます。
①沸かしたお湯に栗を漬けておきます。
指を入れても大丈夫な位にお湯が冷めたら渋皮を傷つけないように、鬼皮(表面の硬い皮)を剥きます。
②鍋に水と栗、重曹大さじ2を入れ、水は栗が出ないようにして茹でます。
お湯が沸騰したら火を弱め、灰汁を取りながら、15分程煮ます。
③灰汁を全部捨て、すぐに栗を水に晒し、軽くタワシでこすり、硬い筋や厚い渋皮を楊枝等で取っておきます。できるだけ栗を空気に晒さないように。
④再び、鍋に水と栗、重曹大さじ2を入れ水は栗が出ない程度で茹で始めます。
お湯が沸騰したら火を弱め、灰汁を取りながら15分程煮ます。
⑤灰汁を全部捨て、すぐに栗を水に晒ます。
⑥鍋に栗と水を入れ茹で始めます。
沸騰したら火を弱め、灰汁を取りながら約10分程煮ます。
⑦煮汁を全部捨て、すぐに水に晒ます。
⑧鍋に水と栗、砂糖を入れ、茹で始めます。
15分程煮たら、火を止めてそのまま冷まし、味を染み込ませます。
ブランデーを加える場合は、火を止めてから、お好みの量を入れます。(20~150CC)
長期保存用には煮沸消毒した容器に熱いままの栗をゆで汁ごと入れ、出来るだけ空気が入らないようにして、蓋をします。
より濃厚にしたい場合は栗を取り出して煮汁を再加熱して煮汁を煮詰めて栗と合わせても良いです。栗だけをアルミホイルにくるんで保存しても良いです、お正月料理に加えても良いですね。
手間は少しかかりますが 美味しい渋皮まで食べれる和風のおやつ渋皮煮です。あったかい飲み物とご一緒に。じんわりと心が満たされるような満足感のある幻の栗と言われる山県の利平栗を是非味わってくださいね。
※2024年8月YAMAGATA BASE HPからの移管分