鮎の香りは夏の思い出
夏の川の風物詩
山県市には長良川へつながる3つの支流が流れています。流れる水はとてもきれいで、川底が見えるくらいの透明感があり、エメラルドグリーンのガラスのような美しさ。夏になると涼を求めて人が訪れます。
橋の上から川の中を覗くと、ゆらゆらと魚が気持ちよさそうに泳いでいるのが見えます。天然鮎やアマゴ、マスやイワナなどの川魚がいて、渓流釣りも楽しむ事ができます。
小道を下り河原へ出ると、涼しくてやわらかい風がふわっと頬をなでました。水が流れる音、生い茂る緑の木の葉や草の香りが何だか心地良い。7月に山県へ訪れたのですが、川には鮎釣りを楽しんでいる人が見えました。このような風景を見る事ができるのもこの季節ならでは。川の中でじっとたたずむ釣り人の姿は、夏の川の風物詩となっています。
鮎の香りを感じると「夏がきたなぁ」って毎年思う
鮎は、香魚とも言われているほど香りが良い魚。手に取ると独特な爽やかな香りが漂います。スイカや胡瓜のような香りで、まさに夏の香り。夏の始まりにこの香りをかぐと、夏が来たなぁっていつも思います。食べ方と言えば、シンプルな塩焼きが定番ですね。遠火でじっくり焼いた鮎は身がふわふわで、鮎そのものの味と香りが楽しめます。
ほろ苦い内臓はちょっぴり大人の味。初めて鮎の塩焼きを食べた時、「焼いた鮎のしっぽを取って背を上にして立てて、お箸でトントンと潰してからゆっくり横にひっぱってごらん」と言われてやってみたら、骨がスルスルっと取れてびっくり!きれいに骨が抜けて、鮎ってこうやって食べるんだと感動したのを覚えています。
鮎雑炊
岐阜県では、鮎を入れて作った鮎雑炊も郷土料理として有名です。鮎の内臓を取って素焼きしたものと、炊いたご飯をお出汁で煮て、醤油を少々。鮎の身をほぐして、好みで生姜やねぎを入れます。鮎の香りと旨味がお出汁に溢れていて、あったかくてやさしい味わい。残った塩焼きや、傷ものの鮎を美味しくいただける方法として作られ、冷ご飯の活用法の一つだったみたいです。
ヤナで楽しむ山県の鮎料理
お盆辺りになると鮎は産卵の為に川を下り始めます。この時期の鮎を「落ち鮎」と言い、そんな鮎の習性を利用した漁法でやな漁があります。川の中に竹やすのこをひいて、流れ落ちてきた鮎を捕まえます。武儀川沿いにある美山観光やなは鮎のつかみ取りや、色んな鮎料理も楽しむ事ができる観光スポット。塩焼きや田楽、から揚げやフライ、鮎雑炊、地元じゃないと絶対に味わえないお刺身もいただけます。生きた魚のつかみ取りは普段なかなかできない貴重な体験ですね! 大人も子供も一緒に楽しめる山県のやな。夏の思い出づくりに出かけてみてはいかがですか。※※現在、「美山観光やな」は休業いたしております※※
※2024年8月YAMAGATA BASE HPからの移管分