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山コーヒーをより美味しく楽しむコツ。

パーコレーターってそもそもなに?

「アウトドアでコーヒーを飲むなら、パーコレーターだよね!」
と自然派のコーヒー愛好者に人気の抽出器です。フランスで考案された後、西部開拓時代に普及しました。パーコレーターを使えば、アメリカンタイプのあっさりしたコーヒーができあがります。具体的な仕組みは、金属製のポットの内部にろ過装置(=バスケット)にコーヒーの粉を入れ、パイプ(=ストレーナー)をとりつけます。その後、ポットに水を入れ、バスケットをセットし火にかければ、湯が内部のパイプから出てコーヒーの粉に噴出し、ろ過され、抽出します。ポットは3カップ用~8カップ用とメーカーによって種類も豊富。(1カップは一般感覚だと200ml、コーヒーでは普通120ml)ペア登山なら3カップ用がいいですね。取手がたためて、収納性にすぐれているものもあります。

※詳しいパーコレータの使い方はこちら

パーコレーターを山で使う魅力

パーコレーターこそ、スローなコーヒータイムを演出するのにぴったりのアイテムです。西部劇の映画で焚き火を囲むシーンにも登場するので、それ自体にロマンを感じる人も。周囲の環境と、粗野な味わいは、雰囲気を愉しむコーヒーとして最高です。最大の魅力は、香ばしいコーヒーの香りが楽しめること。パーコレーターでコーヒーを抽出していると、とても香ばしくワイルドな感じの香りがしてきます。

それは自然の中の清々しい空気に広がり、特別な美味しい香りを醸し出します。香りを吸い込みながら、ぽっぽっぽというかわいい抽出音を聞き、噴出するお湯の色の変化を眺め、コーヒーが出来上がるのを待つのはとても良いものです。
また寒い山でドリップでコーヒーを淹れると飲む頃には60度くらいに温度が下がっています。その点、パーコレーターは1度に数人分の熱々コーヒーが淹れられます。

美味しく淹れるためのコツ

「美味しく淹れるのが難しい」という声を聞く事もありますが、豆の挽き方や入れ方などに、
ちょっとコツがいります。

■豆:粗挽き30gに対して水360~400mlが目安です。(一般的にいわれる量より、やや多めに)
極粗挽きにします。粉を詰める部分がメッシュでなく穴なのでペーパードリップ用の挽きだと粉っぽくなります。また余計な成分が出ておいしさを損なうことも。
焙煎は深煎り『フルシティロースト』以上がおすすめです。香ばしいコーヒーになります。煎りが浅い豆では、酸味などが出すぎるため不向きです。(とはいえ、好みもありますから、色々お試しください)

■お湯:湧いたお湯にセットしてもできますが、沸かしすぎてお湯が目減りしないように水の量に気をつけてください。

■抽出時間と火加減:ポット上部の透明キャップに噴出するお湯が出たら、極弱火にしじっくりと抽出を待ちます。噴出するお湯の色がだんだんコーヒーブラウンに染まってきて、約180秒。適度ないい色になったら火を止めます。40秒程待ち、吹き上がりが少しづつおだやかになったらカップに注ぎます。
5分以上、抽出しすぎると香りが失われ美味しくなくなります。濃さは抽出時間で調節するのではなく、水と豆の量で調整しましょう。

■仕上げ:時間が来たら火を止め待つのをお忘れなく。内部の器具を外し、豆の粉を沈殿させます。カップに入れるときは粉が入らないように注意します。

山で淹れるコーヒーは気温、風、気圧といった自然状況がいつも同じとは限りません。パーコレータには失敗を愉しめる、大らかさがあります。試行錯誤の面白みの味わえるものです。1杯の熱々のコーヒーに心を弾ませる贅沢な時間。大きな自然の中、細かいことに囚われず、無邪気に山コーヒーを味わってみてはいかがでしょうか?

(注)山によっては火気厳禁の場所もありますので入山前に確認をしましょう!

※2024年8月YAMAGATA BASE HPからの移管分