手づくりピザ&スパゲティのお店「ピザ屋」/吉田 守光さん
基本を大切にした美味しいピザ
山県市高富の閑静な住宅街にそのお店があります。店内のところどころにトリコロールカラーが使われており、イタリアの雰囲気を取り入れ、ゆったりとした時間が過ごせる空間です。お店は1987年にオープン。オーナーである吉田さんは岐阜市(長森)にあるお店で5年半修行後、ピザ専門のお店を地元で開きたいという思いからスタートさせました。当初はテイクアウト専門店でその後、お店で食べれるようにしたそうです。テイクアウトメニューはピザ27品目、パスタ25種類あり、一番人気はミックスピザ。トマトソースは12時間かけて作るこだわりのソースです。
お店の名前は「ピザ屋」!?
「ピザ屋」という看板に書かれているその文字は、はじめてのお客様にもどんなお店なのかが伝わりやすく、来店のきっかけにもなっている。「ピザ屋」をどうしてお店の名前にしたのですか?と質問すると、吉田さんは「ピザを出すからピザ屋、お店の名前はシンプルにしたかったから」と、予想通りの答えがかえってきました。
お店をはじめたとき、知り合いをあてにするような商売の仕方をしてはいけないと考えていました。しかし、実際のところは、知り合いが食べに来てくれて、お店を紹介してくれて、その口コミのつながりがありこれまでお店を続けられました。「本当にありがたいことです。だからこそ常連のお客様を大切にしたい」と吉田さんは話します。取材とかお店の宣伝はあまりしたくなく、自分のペースでやっていきたいと考えています。
お店の厨房はコンパクトな作りになっていますが、備品は綺麗に磨かれ吉田さんの丁寧な仕事ぶりを感じさせます。「私は基本を大切にして、ソースや生地をつくり続けてきました。長く続けられたのは、人に恵まれていたからだと思います」と吉田さんは恥ずかしそうにいいます。「シンプルにしたかったから」と言うのは、吉田さんの生き方なのだと思います。飾りたてないで、手を抜かないでシンプルにピザを作る。そしてそれを継続していく、だから40年近くお店を営業できるのです。
温かい家族に囲まれて
吉田さんがお店をオープンした当時小学生だった子供たちが、今では成人してそれぞれの家庭を持っています。息子さんは別の道に進んでいるので、自分一代で終わるのかなと、考えたこともありましたが、それでも良いと今は思っています。なにより孫たちが食べにきてくれたとき、とても嬉しいと感じている吉田さん。今は孫も4人となり、みんなの喜ぶ顔を見ることが一番の楽しみ。孫に何か買ってあげるためにお店を続けているような気持だそうです。
「人生の中で、山県市で暮らしてきた時間が一番長いですね、山県はひとことでいうなら平和でとても暮らしやすい土地です。山に囲まれて水源があって良い環境です。水不足が数年前近くの近隣で起きた時、市内の子どもたちが夏プールを利用できていたのも、そのおかげかなと感じます」と吉田さんは話します。
生まれ育ったこの土地で一日一日を丁寧に、そしてお客様を大切にして美味しいピザを作っています。
「これからの事は色々考えがあります。この仕事に定年は無いのですが、いつかお店を閉めたら、自分のペースで美味しいピザを作っていきたいですね」と、吉田さん。やっぱりピザを作っているんですね。
※2024年8月YAMAGATA BASE HPからの移管分