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大根とにんじん、冬のまぜご飯

子どもの頃に食べたごはんの味

小さい頃から親しんだ味は、それぞれの地域や家庭のおいしさがあって、ふる里の味、おふくろの味とも言われる特別な味。「まぜご飯」もその中のひとつではないでしょうか。

ちなみに私の祖母が作るまぜご飯には、椎茸や人参、かまぼこや油揚げにいりこが入っていました。親戚の集まりや行事などがあると毎回のように作ってくれたのを覚えています。おばあちゃんが作るごはんってやさしくてあったかいです。そんな、日本のおふくろの味を代表するまぜご飯。山県のおばあちゃん達どのように作っているのか教えてもらいました。

四季を楽しむ、昔ながらの山県の家庭料理

料理を教えてくれたのは、北山地区にある廃校を利用した農家レストラン・おんせぇ~よを切盛りしているおばあちゃん。レストランでは、野菜を多く取り入れた舟伏の里ランチが人気で、ご飯とお味噌汁、まあるい籠の中に並ぶ小さな小鉢の中には、ポテトサラダや甘く炊いた煮豆、酢の物や煮物などのお惣菜と自家製のお漬物が入っています。

春は、山で摘んだ山菜の天ぷら、里芋が採れる秋は煮物やコロッケなど、その時期の旬の食材をふんだんに使ったおばあちゃん達のあったかい手料理がいただけます。

定番メニューとなっているまぜご飯の具材も、春は筍やよもぎ、夏はごぼう、秋はきのこ、冬は大根など、季節毎にいろいろ変えているそうです。ちなみに、おばあちゃん達が作るのは、お米と具を一緒に炊く、炊き込みご飯ではなく、具を醤油で煮てから白米と混ぜ合わせる「まぜご飯」。今回は、おばあちゃん達が冬に作っている大根を使ったまぜご飯の作り方を教わりました。

大根とにんじんのまぜご飯

まぜご飯の具に使ったのは、大根・人参・油揚げ。野菜はささがきにします。「大根は、こうややって薄く削ぐようにしてささがきにするの。繊維にそって切ると食感が良くなるの」とおばあちゃん。野菜は切り方によって食感が変わること、どんな切り方をするとどんな食感になるのかを教えてくださいました。

油揚げは、地元のおとうふ屋さんのもの。こんがりきつね色に揚げてある油揚げは、大きくてふかふか。炊くと良いお出汁が出てきます。先ほどささがきにした大根は、さっと湯通し。軽く茹でて、大根くささやえぐみを取り除きます。

大根の湯通しも、するかしないかで、全然ちがう味になることも。ちょっとしたひと手間って結構大事だったりします。おばあちゃん達の料理は、材料も味付けもとってもシンプル。だけど、おいしくする為の工夫がいつも少しだけ加わっています。

大きなボールいっぱいに、まぜご飯ができました。大根入りのごはんを食べるのは初めてです。「いっぱいあるからたくさん食べてね!」 おばあちゃんがおかわりをすすめてくれます。醤油が効いた味付けは、どこかなつかしさを感じる田舎の味。「おいしい・・・!」思わず頬がゆるみます。 たくさんおかわりして、3杯も食べてしまいました。

おばあちゃんのまぜご飯レシピ

まぜご飯の具の材料(5~6合分)

大根 1/2本、人参 1/2本、油揚げ 1枚、醤油 50~80cc(大根の大きさで調整してください)、砂糖 大さじ1、顆粒だし 小さじ1/2

作り方

①、油揚げは小さく切って、大根と人参をささがきにします。大根とにんじんは、真ん中で切るより、縦半分にして、切り込みを入れてからささがきにするとやりやすいですよ。食感を残すために、繊維にそって薄く切ることがポイントです。
②、鍋に、大根と水を入れて火にかけてお湯がクツクツしてきたら、ざるにあげてお湯を切ります。
③、鍋に湯通しした大根と、人参、油揚げと、醤油・砂糖・顆粒だしを入れて火にかけて、弱火で水分がなくなるまで煮詰めます。
④、炊いたご飯に具を混ぜ合わせて、お茶碗に盛り付けたらできあがりです。

※2024年8月YAMAGATA BASE HPからの移管分