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STORY

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岐阜県山県市で活躍する人々のストーリーをお届けします。
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#山県市

耕作放棄地を使い農体験を行う「まちづくり拠点」へ/アトレファームジャパン株式会社 代表取締役社長 若原雄一朗さん

年間通して訪れることができる体験農園に 山県市小倉にある「体験農園みとか」は、冬から春にかけてはいちご、初夏からはブルーベリー、ぶどうと続いて、秋はさつまいもと年中収穫体験ができる施設です。カフェも併設しており、施設の農園で採れた果物などを使ったオリジナルメニューも味わえます。 みとかを運営するアトレファームジャパン株式会社の代表取締役社長 若原雄一朗さん。お会いすると、「自分は裏方で、お店の主役はスタッフの方々です」という言葉からお話が始まりました。 みとかは、単なる「

シャワーに美容の付加価値をつけた会社/株式会社田中金属製作所 代表取締役社長 田中和広さん

水栓バルブ部品製造から常識を変えたシャワーヘッド開発へ 近年、様々な高機能を持つシャワーヘッドが広く販売されていますが、その中でもウルトラファインバブルと呼ばれる超微細な泡を生み出すシャワーヘッドは、美容などに嬉しい作用を示すと言われています。そのウルトラファインバブル機能がついたシャワーヘッド「Bollina(ボリーナ)」を生み出したのが、山県市美山エリアに本店がある、1965年創業の株式会社田中金属製作所2代目、代表取締役社長の田中和広さんです。 会社の2代目として生ま

おいしさにはワケがある!どこにも負けないモンブラン/RICO DOLCE 店長 花村 舞さん

オンライン販売で全国的人気店に 2020年のオープン以来、看板商品の「生モンブラン」の他、極薄のクレープ生地とクリームを重ねた「和栗ミルクレープ」、最高傑作と銘打った「こがね」など、和栗にこだわったオリジナリティあふれるスイーツを世に出し、人気を博すRICO DOLCE。品質の高さと極上のおいしさ、見た目の美しさなどから注目を集めています。オンラインで購入できるため、地域を問わず全国にファンがいることも特徴的です。 商品開発や製造に中心的に携わるのは、地元出身・在住の花村

ゆっくりと、しかし後戻りせず、信じる道を行く/川田マンドリン工房 川田 一夫さん

雷に打たれたよう」人生を決めた瞬間山県市で生まれ育った川田さん。野山で遊びながら自然に囲まれて育ち、木を削ったり彫ったりする工作が大好き。高校時代は自分でギターを作って弾くほど、ものづくりは生活の一部でした。その後、岐阜大学へ進学しマンドリンクラブに入部しますが、ここでハマったのは演奏よりむしろ「楽器作り」。折しも東京でギター製作家が弟子を募集していると聞き、いてもたってもいられなくなったそう。「雷に打たれたみたいだった。生きる道が見つかったと思いましたよ」。両親の大反対を押

歴史の息吹を感じ自然を畏怖し、慈しむ/ご住職 土岐邦彦さん

重厚な風格のある山門山県市の大桑には天文16(1547)年まで大桑城が存在し、土岐頼芸やその兄である土岐頼武とその子である土岐頼純の居城でした。その大桑城があった山は現在では古城山と呼ばれています。瑞応山南泉寺(臨済宗妙心寺派の寺院/美濃新四国霊場第六十九番札所)は、大桑城の「南の第」と呼ばれた土岐氏の邸宅跡に建てられた寺院で仁岫宗寿とその弟子の快川紹喜を開山とするお寺として知られています。 正門には重厚な風格のある竜宮門、その先にもう一つ総門があり、門をくぐるとその先に本

新しく面白い事業を始めたい! 国産無農薬バナナの栽培に挑戦/株式会社ワイエス・コーポレーション代表取締役中尾正邦さん

岐阜でも育てられる耐寒性のあるバナナとの出会い山県市藤倉にある4棟の温室一面に広がるバナナの葉。もともと岐阜市内で建物の解体工事や不動産業、福祉施設などを手がけていた中尾正邦さんの温室の光景です。新しい事業を始めようと考える中で、「年齢を重ねることで健康志向になって、『食』に関することがやりたい」と思った中尾さん。せっかくだから他ではやっていない珍しいものをと探していました。 そんな中、アンテナにひっかかったのは岡山の農業法人で編み出された耐寒性を持ったバナナの苗でした。特

手づくりピザ&スパゲティのお店「ピザ屋」/吉田 守光さん

基本を大切にした美味しいピザ山県市高富の閑静な住宅街にそのお店があります。店内のところどころにトリコロールカラーが使われており、イタリアの雰囲気を取り入れ、ゆったりとした時間が過ごせる空間です。お店は1987年にオープン。オーナーである吉田さんは岐阜市(長森)にあるお店で5年半修行後、ピザ専門のお店を地元で開きたいという思いからスタートさせました。当初はテイクアウト専門店でその後、お店で食べれるようにしたそうです。テイクアウトメニューはピザ27品目、パスタ25種類あり、一番人

山県市地域おこし協力隊/河合 祐樹さん

川だけでなく、自然を想う沢山の人に出会いたい山県市美山地区の北部にある古民家テレワークセンター「神崎よってちょ」は、古民家を改装したコワーキング&レンタルスペースです。ここを管理している山県市委託型地域おこし協力隊の河合祐樹さんは、瑞穂市と山県市との2拠点生活をしており、移住者&関係人口増加を目指す任意団体美山ベースキャンプの代表や、川遊びの文化を次世代につなげるためのカンムギプロジェクト実行委員会など様々な活動をしています。 「神崎よってちょ」は数年かけて古民家をDIYし

山県市役所に聞く、山県市ってこんなとこ

Q.起業支援制度について教えてください! A.山県市で新しく創業される方には、市と商工会が連携して創業支援を行なっています。その一つが創業塾。経営指導員が事業の始め方や経営の仕方、税金対策など初歩からレクチャー。起業する方に伴走して、相談に応じながら手厚くサポートします。それだけでなく、地域資源の活用など地域課題の解決につながる事業を行う方には、起業資金の一部を補助しています。 Q.先輩開業者はどんな業種が多いですか? A.美容関係やカフェ、洋菓子店などさまざまです。名

粒が大きくて食感や味のバランスがよいお米/農事組合法人桜尾生産組合 組合長 平野良次さん

地域の田んぼを預かり若い力で地域を守る桜尾機械化営農組合は平成15年に農業の大規模化、大きな機械を用いた効率化に対応するために立ち上がりました。時代の流れが個人で2~3枚の田んぼで稲作をする時代ではなくなり、また周りの高齢化などで労働力がなくなり、組合に田んぼの集約が進みました。今は農事組合法人桜尾生産組合として法人化し、若手2名を含む社員4名で、地域の田んぼを守っています。 約300軒分の田んぼを預かる現在、農事組合法人桜尾生産組合では、フルタイムで対応している従業員4名

体験型の施設で五感を楽しむ時間/香り会館館長 和田法子さん

四国山香りの森公園内にある香り会館25年の歴史があり、年間通して約30種類のハーブを育てている四国山香りの森公園内にある香り会館。同じ施設内には、遊具や芝生が広がる公園や、ここでしかいただけないご当地バーガーが人気のカフェなどもあります。インスタグラムを見て近隣の市から来館される方も多い施設です。 「ここならでは」がいただけるカフェ「ハーブレンド」山県ボーノポークの竜田揚げと黒にんにくの相性がバッチリのご当地バーガー「元気玉バーガー」をはじめとして、ハーブ園でとれたバジルを

何気ない日常から面白さを感じ取る/画家 片岡 美保香さん

地元での個展開催で感じたこと2021年12月から22年1月にかけて、山県市美術館で個展を開いた市内在住の片岡美保香さん。片岡さんは山県市で育ち、現在は岐阜市内の高校で美術の非常勤講師をしながら画家として活動しています。池田町の極小美術館で個展開催した記事を見て、「山県市出身の画家なら」と、個展開催の声がかかりました。片岡さんに当時のことを聞くと、「正直、まだ画家としては始めたばかりの私を選んでいただけるということに驚きました」と言います。また市内に美術館があったことを知らなか

生きがいの「連柿」つくり/伊自良大実連合会 代表 佐野 敬二さん

幻の連柿づくり幻とも言われている、65度の糖度を持つ「伊自良大実連柿」は、約400年前に近江地方から来た渋柿を接木したことから始まりました。非常に良いタンニンが採れることから、最初の300年は柿渋染の材料として使われており、約100年前から連柿がつくられるようになりました。渋みが強い分、水分を飛ばすと甘味が出てきて、多いと糖度が67度にもなりますが、実際はくどい甘みではないのが魅力です。3世代の健康と幸せを願って、3個の柿を串にさし、それを10段縄で吊るした「連」という単位で

山県ハヤシライスの味をつなぐ/bistro sanglier久助 石神英樹さん

皆を元気に!山県市には、地元の有志の方が集まって『山県ハヤシライス研究所』というハヤシライスを作ることにこだわった人たちがいます。山県市高富の里山かおり街道沿いの山県早矢仕ライスを食べることができるお店「bistro sanglier久助」のオーナー兼シェフの石神英樹さんにお話を伺いました。「最初は『一國会(早矢仕ライス研究所)』という名で15名からスタートしたんです。きっかけは2011年の東日本大震災の時、ボランティア活動に参加したのですが、何か自分たちにできることがあるの